カウンセリングの探し方・選び方

カウンセリングに行ってみようとインターネットで検索をすると、横浜市内だけでも十数か所のカウンセリングルームが表示されます。悩んでいる人にとっては、その中から、自分に合ったカウンセリングルームを見つけることはとても大変なことなんじゃないかなと思います。ならば、少しだけそのお手伝いができないものかと、今回の記事を書いてみることにしました。

公認心理師や臨床心理士がいる

なぜこんなにもカウンセリングルームが多いのかというと、カウンセラーやカウンセリングという名称が独占名称ではないからです。実は、どんな人でもカウンセラーと名乗ることはできるし、どんなやり方でもカウンセリングと称して構わないことになっているのが原因です。海外で取得したと思われる資格や、国内のカウンセリングスクール卒業資格、○○協会が発行している資格、それらは公認心理師や臨床心理士と同等にカウンセリングを行うには十分な資格ではありません。臨床心理士や公認心理師という名称は、専門性を身につけて資格試験に合格しないと名乗ることはできません。そうした理由から、臨床心理士または公認心理師がいるカウンセリングルームの方が高い専門性が担保されていると考えられます。

公的機関や病院での勤務経験がある

勤務経歴が企業やNPO法人のみというカウンセラーの実力を推し量ることは難しいです。中には力のある方もいるとは思いますが、なぜそのような選択をしたのか気になるところです。というのも、一般的に公認心理師や臨床心理士は、役所や病院、スクールカウンセラーとして勤務し実務経験を積んでいくのがスタンダードだからです。そのいずれの経験もないということはカウンセラーとしては致命的な印象を受けます。スタンダードなことが必ずしも良いわけではありませんが、少し変わった経歴であるならば、少し変わったカウンセラーであると推測しておくほうが無難ではないかと思います。

オフィスでありスタッフが複数人いる

臨床心理士や公認心理師が開業する場合、マンションの一室で一人でやりくりするという形は昔ながらのやり方です。歴史ある形なので一概に否定し切れませんが、精神科医がメンタルクリニックを開業する場合、マンションの一室で一人でやりくりするということはほとんどないでしょう。そのことを思うと、マンションの一室ではなく複合ビルにオフィスをかまえ、カウンセリング専用に作られた部屋と受付スタッフや事務職員をおく必要があるのではないかと思います。対面でのカウンセリングを提供せず、メールやLINE、または、Skypeや電話のみのカウンセリングを行っているところは専門性よりも利益追求のところが多いようでお勧めできません。ただ、もしかしたら今は発展途上の段階で、今後はそのような遠隔サポートが主流になっていくのかもしれないとは思います。

料金が1時間弱で5千円~1万円程度である

数時間で数万円というカウンセリングは、公認心理師や臨床心理士が推奨するカウンセリングの方法ではありません。著名なカウンセラーが割高になるのはやむを得ないと思いますが、テレビに出ていたり、出版しているカウンセラーが良いカウンセラーというわけではなく、むしろ実践中心ではない分、その逆の方が多いはずです。そんなカウンセラーに月に1回新幹線で通うような形もカウンセリングとして適切か疑問です。カウンセリングは各回のつながりが大切なので、身近に通えるところで継続していくことが望ましいです。

効果や実績が強調されていない

医療広告にはガイドラインがもうけられていて、患者の体験談を広告として載せることは規制されています。カウンセリング業界は厳密には医療ではないのですが、それに準じるという姿勢がスタンダードです。そうしたことを知らずに、サイトのトップページ等に、カウンセリングを受けて良くなったという体験談を載せているカウンセリングルームはやはり専門性が低いところと推測されます。何千人にカウンセリングを行った!数回通うだけで治る!みたいな誇張された数字の広告があるところも避けたほうがよいかと思います。

精神疾患や心理療法について記載がある

例として幾つかの精神疾患が説明されていたり、認知行動療法のような技法の説明があると、見る人は安心できますね。カウンセラーは精神疾患の知識を身につけておくことが必須なので、ホームページにある程度の精神疾患の情報が書かれているかどうかが、しっかりとしたカウンセリングルームかどうかの一つの目安になるかもしれません。ただ、書籍やウィキペディアから診断基準や治療法をコピーしただけかもしれませんので、カウンセラー自身の言葉で書かれているのかよく確認したほうがいいと思います。

地味な言葉で記載されている

科学としての心理学では、根拠が定かでないものやキラキラした言葉が使われることはありません。そのような言葉に彩られたやり方が、行政機関や医療機関で用いられることはほとんどありません。大学や大学院の心理学の授業でも習うことはありません。それらは最近問題になったホメオパシーと同じく科学的根拠がありません。心理カウンセリングを受けたい場合は、そうした言葉を使っていないカウンセリングルームを選ぶとよいかと思います。 全ての怪しい言葉を洗い出すことは難しいのですが、主なキーワードを以下にまとめておくので、類似した言葉をみつける際のヒントにしてみてください。

ヒーリング
スピリチュアル
インフィニティ
オーラソーマ
レイキ
エナジー
チャクラ
ネイチャー
パワー
ホリスティック
ヒプノセラピー
カラーセラピー
フラワーセラピー
NLP
癒しの光
輝く未来
神秘の力
前世鑑定
魂の救済
気功

以上、2010年に公開して反響のあった記事を2020年版に修正して書き上げました。誤解される表現や抜け落ちている点などあるとは思いますが、その辺は大目に見てください。

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