カウンセリングとは

カウンセリングQ&A

カウンセリングとは?

カウンセリングを一言で説明するのはとても難しいですが、心理学を背景とした対人援助技術であるとは言えそうです。医学的治療は動物にも行えますが、カウンセリングを動物に行うことはできません。カウンセリングは、双方向のコミュニケーションを重視するとても人間的なやり方だと考えています。

どんな時カウンセリングを受ければいいの?

落ち込んだ時、人とうまくいかない時、怒りが抑えられなくなった時、子どもの将来が心配な時、やりたいことが手につかない時など、元気な状態ではなく、自分一人で考えていてもループしてしまって解決できないような時は、とにかくカウンセリングにいらっしゃってください。うつ病などにかかっている可能性も含め、まずはインテーク面接で状態を確認させていただきたいと思います。インテーク面接は、例えるならば心のレントゲンです。自分では見えなかったものが、インテーク面接では見えるかもしれません。

自分でも何に悩んでるかわからないんだけど

そんな時こそ、どこにも相談できる場所はないものです。知識を身につけたいのであれば学校や各種教室に通う必要がありますし、法律に関することならば弁護士に相談に行く必要があります。カウンセリングには、どうしたらいいかわからない時にいらしてください。

カウンセリングでうまく話せるかな・・・

ほとんどの方がカウンセリングルームに来る前には、「こんなことを相談する人なんかいないんじゃないか」「笑われてしまうんじゃないか」「注意とかお説教をされるんじゃないか」「親身になってくれないんじゃないか」「状況をわかってもらえないんじゃないか」など様々な不安を感じているものです。しかし、多くの方はインテーク面接を受けてみて、「余計な心配をして損をした」「もっと早く来ればよかった」と言い、次回の予約を取って帰られていきます。私達は皆さんが不安な気持ちで来室されることはわかっていますので、どうぞお気軽にいらしてください。案ずるより産むが易しです。

カウンセリングにはどんな人が通ってるの?

女性が半数以上ですが最近では男性の相談も増えてきています。子育てに不安を感じている方、夫婦関係が悪くなってしまった方、介護のストレスで疲れきっている方、自分自身の生き方について悩んでいる方など様々いらっしゃいます。また、お子様でも中学生頃から言葉のやり取りによるカウンセリングを行うことは可能ですが、不登校やひきこもりの場合、お子様より先に保護者の方が一定期間カウンセリングを受けられた方が効果が大きいです。

カウンセリングに行くとどうなるの?

カウンセリングは、ただ話す場でも、ただ聞く場でもありません。最初は自由に話していただくことが多いですが、その話の中からカウンセラーは問題解決に必要なポイントを密かにピックアップしていきます。そして、十分に状況やお気持ちを理解することができたら、カウンセラーから必要最小限の言葉を返し、ご自身が問題を解決していけるように支援をしていきます。それは決して、カウンセラーの個人的な体験談などではありません。逆に、わからない部分はわからないとちゃんと伝えますので、少しずつ話をしていきましょう。

カウンセリングはどこでやるの?

カウンセリングは当ルーム内の清潔でシンプルな防音の部屋で行われます。基本的にカウンセリングを継続して受けられる部屋は、いつでも同じ状態に保たれていることが望ましく、人の出入りがある喫茶店などでカウンセリングを行うことはできません。誰に聞かれているかもわからなければ、落ち着き安心して話すことなどできないからです。最初の内は、個室に一対一となりますので、お互い多少は緊張しますが、通われていく中ではむしろとても安心できる場になっていくと思います。

カウンセラーの年代や性別って選べるの?

安心できるカウンセラーに会いたいというお気持ちはわかります。しかし、特別な事情(同年代に対する恐怖、男性/女性に対する恐怖など)がなければ、カウンセラーを年代や性別で選ぶことは望ましいことではありません。当ルームには、10代から70代まで老若男女問わず幅広い方々がご相談に来られますが、基本的にカウンセラーの年齢や性別がカウンセリングに強く影響したというケースはありません。よく「結婚をしているカウンセラー」や「子育て経験のあるカウンセラー」、「自分より年上のカウンセラー」を希望する方がいますが、カウンセラーは自らの体験談をカウンセリング内で話すことはないので、逆に期待外れになってしまう場合がほとんどです。「同じ状況にある人しか自分の気持ちはわからない」と思い込んでいることが視野を狭め、問題をこじらせてしまっている可能性がありますので、そのことも含めてカウンセリングで話してしまいましょう。

カウンセラーってどんな人?

経歴を明かしているカウンセラーもいますし、明かさないカウンセラーもいますが、基本的にカウンセリングを行うのは臨床心理士・公認心理師です。臨床心理士は、スクールカウンセラー児童相談所行政の相談機関大学の学生相談室、精神科のある病院または精神科クリニックなどで経験を積んでいることが多いです。公認心理師は、心理職初の国家資格として2019年に認められ、臨床心理士が2つ目の資格として取得しているという形が多いです。

臨床心理士は国家資格じゃないの?

臨床心理士は、文部科学省が認定している、一般社団法人臨床心理士資格認定協会が定める資格です。阪神淡路大震災時のPTSD(心的外傷後ストレス障害)患者への支援や、スクールカウンセラー事業等で有名になりました。この資格を得るには、大学の4年間と大学院の2年間の計6年間、心理学に関することを学んで修士号を得て、さらに卒業後に年1回行われる資格認定試験を受けて合格しなければなりません。資格取得後も研修を重ねて、5年毎に更新する必要もあります。

カウンセリングの方法って一つしかないの?

カウンセリングには幾つもの技法が存在します。あまりに多すぎて全容を知っている方はすでにいないのではないかというくらいです。もしも、皆さんがカウンセリングのことを多少知っていて、希望されるやり方があればお応えいたします。しかし、カウンセラーは皆さんの言いなりになるわけではありませんし、心地良いカウンセリングだけが皆さんの成長に必要なこととは言えません時にはカウンセリングの時間が苦しくなることもあるでしょう。当カウンセリングルームでは、このホームページでも方針を明らかにしているように、4つの技法を段階的、選択的に行うことが望ましいと考えていますので、その都度、必要十分な支援が行えるのではないかと思います。

カウンセリングで性格は変えられる?

カウンセリングは性格を変える場ではありませんが、長期間通われると、考え方が変わることで必然的に性格にも変化が生じてくるということはあります。性格という言葉は広すぎますので、もう少し範囲を狭めて、「自分にはこういうところがあるので、こういう風に変わりたい」と具体的にしていくことが必要です。たまに「性格の全てを変えたい」という方がいらっしゃいますが、私達はそのようなことを望んでもいませんし、それにお応えすることもできません。苦しみつまづきながらも生きてきた、そんな皆さんが身につけている性格を無碍にはできません。変えるところと変えないところの両方を大切にしていきましょう。

カウンセリングでアドバイスしてもらえる?

一般的には「カウンセリングではアドバイスをしません」と言われることが多いと思いますが、実際には必要に応じて心理学的なアドバイスをすることがほとんどです。もちろん、根拠の無いアドバイスはいたしません。一方、アドバイスをしないことがアドバイスをするより効果的な場合もあります。その辺が難しいところです。一方的なアドバイスばかりするところや、逆に一切アドバイスをしないというカウンセリングルームやカウンセラーには注意をしましょう。

カウンセリングで病名って教えてくれるの?

病気を特定することは診断と言い、医師だけが行えることなのでカウンセラーには病名を告げることはできません。しかし、仮に○○という病気だと仮定して、それを皆さんと共有してカウンセリングを行うことはできます。カウンセラーは心理学に加えて精神医学的な知識も学んでいますので、ある種の傾向を捉えることができると考えておくくらいがよいと思います。逆に、医療機関で診断名をすでに伝えられている場合は、その診断のもとで必要な技法を用いてカウンセリングを行うことが可能です。

カウンセラーと相性悪かったらやめていい?

なにより皆さんのお気持ちを重視しますので、やむを得ずカウンセリングを中断することは実際にあります。しかし、相性が悪いという理由でやめられることはあまりお勧めできません。そのような方は、日常的にも人間関係を断ち切りがちであることがしばしば見られるからです。相性が悪いと感じた正体とは一体なんなのか。それを、カウンセラーと一緒に考えていくことがとても大切です。是非とも信頼し合える関係を築いていきましょう。

同時に他のカウンセリングに通ってもいい?

なるべく良いカウンセラーに出会いたいという気持ちはわかりますが、最も良いカウンセラーに出会うということはほとんど不可能です。それでも比較検討したい場合は、少なくとも同時に通うことは避け、順番に通ってみるのがよいでしょう。しかし、気をつけないと「褒めてくれるカウンセラー」に惹きつけられてしまうものです。自分にとって都合のいいカウンセリングルームと役に立つカウンセリングルームは異なるということも念頭に置いておきましょう。また、一つの場所に通い続けられず、より良い場所を探すのは、パーソナリティ障害の方がやりがちな行動であるということも覚えておきましょう。

誰にも知られずに通いたいんだけど・・・

近隣にお住まいの方や、行政、教育関係者の方が心配されることが多いのですが、個人情報が、他者・他機関に伝わることはありません。例外的に、虐待、DV(家庭内暴力)、自殺未遂、犯罪行為等、命や権利に関わることが発覚した場合に適所にやむを得ず通報させていただくことはあります。ですが、そういった場合でも極力事前にご本人に伝え、通報することを納得していただきたいとは思っています。また、当ルームの入口は裏通りにありますので、来室の折に特定されることは少ないと思います。

どのくらいカウンセリングに通えばいいの?

最短でも12~16回が効果が出るとされているラインです。しかし、それは学術的・統計的な数値の話で、実際には1年半くらい通われるとだいぶ安定してくるといった印象を個人的には持っています。ただし、「良くなる」という目標が人それぞれですし、まずはどんな状態になったら良いと言えるのか、そこからカウンセリング内で話し合っていくことが必要です。むしろ、期間の長さよりも頻度が重要だと考えているので、当ルームでは毎週カウンセリングを行うことを推奨しています。状況的に難しい場合には隔週でも行っています。1回のみの場合には効果は出ませんが、1回も来ないよりは一度は体験してみるというのも大事なことかもしれません。

カウンセリングの相場料金って幾らくらい?

多くのカウンセリングルームは、50分ないし1時間で6000円から10000円程度です。たまに見かける数時間で数万円というカウンセリングは、公認心理師や臨床心理士が推奨する心理カウンセリングではありませんので注意してください。大学付属のカウンセリングルームでは3000円台からあるようですが、学生の実習に協力するという条件つきですので、カウンセラーを育てようというくらい気持ちに余裕のある方でないとお勧めできません。 病院やクリニックのカウンセリングは保険が効くので安価ですが、限られた症状の消失を目的とするため、30分といった短い時間が多く、内容が深まりづらいといった側面があります。

私の他に通わせたい人がいるんだけど

他人をカウンセリングに通わせることは大変難しいです。特に、親が子どもをカウンセリングに通わせたいと思っている場合には注意が必要です。いくら親が心配していても「あなたはおかしいのだから、カウンセリングに行きなさい」としか子どもには伝わらないのです。連れてきても子どもは心を開きません。なので、まずは親自身がカウンセリングに半年ほど通ってください。そうした中で、折を見て子どもにもカウンセリングを勧めてみましょう。子どもは親をよく見ていますので、親が1回しかカウンセリングを受けなければ子どもも1回でカウンセリングをやめてしまいます。子どもにだけ問題があるのではなく、親も一緒に考えるという姿勢を先に見せるほうが子どものカウンセリングはスムーズに始まります。

結局カウンセリングってなんなの?

よく聴くことだけがカウンセリングであると誤解されることが多いのですが、実際にはカウンセラーが何をどのように捉えるか、そしてそれをどう伝え返すかということが重要な役割を占めています。そういう意味では、語弊はあるかもしれませんが心理カウンセリングは心の手術と言い換えるとわかりやすくなるかもしれません。言葉は人を傷つけると言われるように、使い方を間違えると深い傷を負わせてしまうことになるという意味では、カウンセラーは言葉というメスを慎重に扱っていると言えるからです。また、よく精神科の診察と比較されますが、1回につき50分間という時間をとるカウンセリングでは、数分の診療では行えないことができるという点でも手術に近いのではないかと思います。しかし、これはあくまで例えですし、手術にも比較的安全なものから困難なものまであるように、カウンセリングも目的によってとる方法は様々です。手術と聞いて怖がらないでくだされば幸いです。

じゃあカウンセリングに行ってみよっかな

はい、とてもQ&Aだけでカウンセリングについて伝え切れるものではないので、是非とも実際にお会いしてお話させていただけたらと思います。当ルームのシステム上、無料のインテーク面接から始めることになりますが、何卒、カウンセリング前提であることをご理解のうえご予約をお取りください。