ストレスの相談・カウンセリング

ストレスとは

ストレスとは外から加わる力のことです。一般的に、それは不快な感情を伴うものに対して用いられますが、カウンセリングに来る方の中には、自分にとって何がストレスになっているのかに気がついていない方も多いものです。

例えば、未婚の女性が友人の結婚式に出席して、友人が幸せそうにしているのを見て、心から祝福している一方で、心の奥にしまい込んでしまった羨ましいという気持ちには気がついていなかったとカウンセリングで語られることがあります(※結婚に対する思いには個人差があります)。友人に対してネガティブな気持ちを抱いてはいけないと、いつの間にか心に禁止してしまうのです。この心の働きを抑圧と言ったりします。

愚痴のように語れるストレスもありますが、このように意識されないストレスというのは案外多く、それがうつ病などの精神症状の原因になったりします。人は、わからないという状態が本当に苦手なんです。ストレスの原因がわからないことがさらにストレスを生むので、カウンセリングで一緒に考えていきましょう。

内省的カウンセリング

何がその人のストレスになっているかを特定し、善悪にとらわれず、自分のありのままの気持ちを正直に語るところからカウンセリングは始まります。いや、もしかしたら、それは人によってはかなり難しく、カウンセリングの一つの目標になることも多いものですが。

実際のカウンセリングでは、いきなり心が感じたままに話せる人はほとんどいません。常識にとらわれ、悪い感情を人に見せるものではないと考えてしまっているうえ、話す相手はカウンセラーという得体のしれない他人なんですから。カウンセリングが苦しい、しんどいと感じられている方は、この段階でつまづいている方だと思います。だから、まずはカウンセリングでそれを話して構わないということを伝えます。伝えるというより、カウンセラーの全身でそれを本当に許可しているんだよという雰囲気を醸し出します。そして、ゆっくりと自分が感じたことや考えたことに目を向けてもらい、それを丁寧に言葉にしてもらいます。その話し方は、日常では起こりえないカウンセリング場面に特有の状態です。カウンセリングはただ話す場所ではないのです。あきらめないでください。うまくいけば、本当に心の中のものが何か外に出たかのように感じます。その感覚はカタルシスと呼ばれ、一連の行為は内省と呼ばれます。自分の悪いところだけを直す反省とは異なります。

修正感情体験

カウンセリングで話したらスッキリするだけでしょうか?いいえ、違います。その話にカウンセラーがどう反応するのか、それに対して、また自分がどう感じるのか、そこについても再び内省するんです。カウンセラーが最後まで話を真剣に聴いてくれることに安心したのか、カウンセラーの反応がいまいちで納得いかないのか、意外なところでわかってもらえて嬉しかったのか、そこでも自分の心に目を向けて、そのままカウンセラーに伝えてみるんです。すると再びカウンセラーがなんらかの反応を返して・・・。そうしたことを繰り返すと、自分の心がどう感じているのか、どういう気持ちになりやすいのか、うまくとらえられるようになってくるのです。そして、気づけばストレスに対して今までは歪んだ感情的反応をしていた自分が、カウンセラーとの間で適切といえる感情的反応をする自分に変化しているのです。これを、修正感情体験と言います。簡単にいうと、ストレスに飲み込まれない状態になっているようなものですね。

だいたいこの形になるまで半年くらいかかります。ただ、これは最も丁寧に時間をかけたやり方で、実際には、もっと早く具体的で効果的な問題解決を求められることが多く、なかなか腰を据えてできる機会がありません。ニーズに合わせてチャンスがあれば、時々、こうした形のカウンセリングを挟み込んでいる現状です。