うつ病のカウンセリング

うつ病治療に必要なのは薬とカウンセリング

従来、うつ病には薬と休養が必要と言われてきました。薬に関してはSSRI、SNRIといった副作用の少ないものが主流になっていて、薬物治療の効果はもちろん大きなものです。しかし、薬はうつ症状を軽減する、またはうつ症状を出にくくする作用をもってはいますが、うつ症状の原因の一つである物事の捉え方や考え方を変える力はもっていません。薬物治療のみですと、しっかりと症状が改善されてから服薬をやめた場合でも、うつ病の再発率は50~60%とかなり高いです。考え方を変えないと、薬を飲んで十分休養をとっても長期的な効果はあまりないのです。

また、うつ病の方が休養をとっている中、薬のみで回復するということは手放しに喜べることではありません。うつ病の症状が重いときには、起き上がることも考えることも億劫で、本当に何もする気が起きないのですが、薬によって考える力や行動する力が戻ってきてしまうと、自殺しようかなという歪んだ考え方も湧いてきて実行しかねないのです。うつ病は回復期が危ないと言われている理由です。なので、現在、薬と休養でうつ病治療に取り組んでいる方のご家族は、回復してきた本人から目を離さないようにお願いします。ただ薬を飲ませて休養をさせるということは、一番危険な時期に何のサポートもない状態にすることだと覚えておいてください。

再発率を30%に下げる認知行動療法

カウンセリングの技法の1つである認知行動療法を受け、物事の捉え方や考え方が変わると、うつ病の再発率は約30%にまで低下します。うつ病の苦しさを再び味わうくらいなら、取り組まない手はないでしょう。

三大悲観は認知の歪み

  • 自己悲観「自分はもうだめだ」
  • 社会悲観「誰も助けてはくれない」
  • 将来悲観「お先真っ暗だ」

うつ病になると、自己、社会、将来に対して極端に悲観的な考え方に囚われます。それは現実的な考え方ではなく、認知の歪みです。うつ病の方は、まず、自分に自信が持てないのなら、自分が正しく考えられているという矛盾した前提を捨ててください。そして、認知行動療法に沿った考え方を取り入れていきましょう。認知行動療法後の適切な考え方は、例えば次のような感じになります。

  • 自己認知「自分にはだめな部分もあるが、全てがだめなわけではない」
  • 社会認知「まだ全ての人に助けてもらえなかったわけではない」
  • 将来認知「しばらくは辛いだろうが、その先もずっと続くとは限らない」

無理やりそういう言い方にすればいいわけではありません。認知行動療法を受けて、こういう考え方を理解し、納得し、身につけていくのです。決して、明るく希望を持った考え方になるわけではありません。薬の効果と似ていて、自分を苦しめる考え方を軽減するという感じです。しかし、薬と違って身につけてしまえば考え方は一生ものです。

カウンセリングで手に入るもの

休養では、うつ病期間中に何も身につきませんが、認知行動療法に取り組めば得られるものがあるのです。もしかしたら、一般の方よりも歪みの少ない考え方ができるようになるかもしれません。あとで、うつ病の間は何もしていなかったなぁ、と振り返って落ち込むこともなくなります。むしろ、うつ病になったからこそ、新しい考え方を身につけることができたと、うつ病を否定せずに受け入れられるようになるかもしれません。そういった意味でも、うつ病に必要なのは休養ではなく、カウンセリングなのです。カウンセリングじゃなきゃダメというわけではないですが、適度な運動をする程度では、自分のことを認めてあげることは難しいです。

カウンセリングルームセンター南では、薬とカウンセリングの他、さらに「生産的な趣味」というのをスパイス的に加えるのですが、それはまた別の機会にお伝えします。

書いていて思ったのですが、休養と表現するからわかりにくくなるのかもしれません。休職には賛成です。もちろん、家事も仕事に含めての休職です。